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萱尾神社(かやおじんじゃ)[Kayaojinjya Shrine]

所在地
 伏見区
選定番号
 第13−009号

推薦理由(抜粋)
 斉明天皇元年(655)創建。慶安3年(1650)に再建された本殿は、以前は檜皮葺きであったが、昭和36年(1961)に銅板葺きとなった。柱や虹梁には彩色が施されている。地域の氏神様として親しまれている。


認定番号
 第234号

認定理由
 萱尾神社は、伏見区日野畑出町に所在し、法界寺の北東に位置する。祭神には大己貴命(おおなむじみのこと)を祀り、日野村の産土神として崇敬を集めた。現在、鎮守の森は地域の重要な景観要素ともなっている。江戸時代までは法界寺の鎮守社でもあったが、創建については、法界寺創建以前である斉明天皇元年(655)とする説もあるなど定かでない。
 現本殿は、棟札から慶安5年(1652)に再建されたものと考えられている。流造で一間社の規模だが、背面には間柱を建てて2間となっている。当初は檜皮葺であったが、昭和36年(1961)の改修により銅板葺に変更された。身舎柱は礎石上に建ち、柱上に舟肘木を置く。向拝を備え、連三斗(つれみつと)と中備蟇股(なかぞなえかえるまた)を用いている。内部は前後に内陣と外陣を区切るが、もとは1室だったと考えられる。正面には弊軸の付いた両開きの板唐戸、側面である南側面には両開き板唐戸を嵌める。外観に華やかな彩色が施されているのが特徴で、軸部は丹塗り、虹梁や蟇股などは極彩色、板壁・軒裏は胡粉塗としている。残された多数の棟札等から、建築後、度重なる修理によって木部や彩色が維持されてきたことが確認できる。近年では平成30年(2018)に修理が行われ、彩色が蘇った。同社の造営、修理には醍醐泉村の大工が当たったことが分かっており、社殿の意匠には醍醐寺清滝宮本殿(重要文化財)の影響があったものと推測される。本殿の左右には、柳社、田中社、若宮社、稲荷社の四社が建てられている。このうち柳社は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)、田中社は天穂日命(あめのほひのみこと)で、本社祭神の大己貴命すなわち大国主命(おおくにぬしのみこと)の国譲りに関係する神が祀られている。
 萱尾神社は、日野の鎮守として現在でも地域の崇敬を受け、境内の鎮守の森も地域にとって重要である。華やかな彩色を特徴とする近世前期の神社建築であり、資料から社殿の建設や維持に当たった近世期の日野地域の工人たちの活動を伺える点でも評価される。



 京都市指定有形文化財(建造物)



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