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西之大坊 大雲寺(にしのだいぼう だいうんじ)[Nishinodaibo Daiunji Temple]

所在地
 伏見区
 
選定番号
 第2−044号
  


推薦理由(抜粋)
 天正18年(1590)深草山寶塔寺の仮本堂として建立。近年,中原正治氏により庭園を改造。茶室から見る庭園は幽玄の世界を満喫できる。


認定番号
 第164号

認定理由
 大雲寺は日蓮宗宝塔寺派の本山・宝塔寺の塔頭である。寺伝では,応仁の乱により焼失した宝塔寺復興への取り掛かりとして,日銀上人によって天正18年(1590)に創建されたとされる。慶長13年(1608)に宝塔寺の伽藍が整備されると日銀上人は本山に移り,大雲寺は「西之大坊」と称されるようになったと伝わる。
 境内には本堂,庫裏,表門が残る。年輪年代調査からは本堂と庫裏の建築年代は,17世紀の前半と推測される。本堂は桁行6間,梁行5間半の規模を有する,桟瓦葺,入母屋造屋根の建物である。内部はやや変則ながら,6室の前面に広縁を設ける方丈形式の平面である。中央の「室中」のみ板敷きで,背後に須弥壇を設ける。庫裏は本堂西側に接続する木造平屋建の建物である。内部は改変が見られるが,玄関廻りの梁をみせる吹抜け空間が残る。表門は本瓦葺の薬医門で,棟札から「大工新兵衛之尉藤原清房」によって上棟したことが分かる。施主の日謄(にちとう)上人の存命時期から17世紀後半と推測される。本堂の東側には昭和50年代に造園家・中原正治により改修された庭が配される。
 西之大坊・大雲寺は,江戸前期に遡る本堂や庫裏を残し,宝塔寺復興の歴史を伝える重要な寺院建築として高く評価される。



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