HOMEへ戻る
瑞光寺(ずいこうじ)[Zuikoji Temple]

所在地
 伏見区
 
選定番号
 第1−066号
  


推薦理由(抜粋)
 境内入口にある萱葺きの山門を潜ると本堂の萱葺き屋根が目に入る。その屋根のシルエットは,この寺を再興した元政上人の衣姿を彷彿させる。


認定番号
 第211号

認定理由
 瑞光寺は明暦元年(1655)、元政上人が深草の地に草庵・称心庵を営んだことに始まる日蓮宗の寺院である。平安期に藤原基経によって建立された極楽寺(後に日蓮宗の宝塔寺に改称)の境内跡地の一角に当たると伝わる。元政上人は、寛文元年(1661)に瑞光寺と名を改め、本堂である寂音堂を建立したという。
 現在の本堂(寂音堂)は、棟札から宝暦12年(1762)に再建されたものと判明する。工匠として東福寺門前の「長谷川六右衛門藤原廣次」の名が記されている。寄棟造の茅葺屋根の建物で、桁行6間×梁間5間半の方形に近い平面をとる。堂の中央に配された内陣には須弥壇が設けられ、本尊の阿弥陀如来坐像が座する。内陣の四周には外陣などの畳敷の空間が配されている。背面側には位牌檀が設けられ、元政上人の像などが安置される。日蓮宗の本堂建築とは異なる形式で、元政上人の営んだ草庵の構えを継承する意図が推測される。この他、客殿、鐘楼、山門などが残る。客殿は平屋建、桟瓦葺の建物で、設計資料から昭和12年(1937)に建て替えられたものと分かる。22畳半の広間は中心を網代天井とし、その周囲を紙貼とする瀟洒な造りである。山門は薬医門形式で、元は茅葺屋根であったが近年の台風被害を受け、銅板葺で復旧された。天井にのした竹、扉に竹の半切り材を用いるなど、数寄屋意匠を取り入れている。山門、鐘楼は改変を経ているものの、江戸後期に遡る遺構と考えられる。
 瑞光寺は、各時代に手を加えながらも明治初め以来の境内が踏襲されてきた。殊に本堂は京都市内では数少ない茅葺屋根の本堂で、元政上人による草庵の面影を継承した建物であり、その由緒の他、景観要素としても貴重である。

ホームページリンク:
 瑞光寺のホームページはこちら(外部リンク)


リスト4TOPへ戻る
北区マップ |  上京区マップ |  左京区マップ |  中京区マップ |  東山区マップ |  山科区マップ
下京区マップ |  南区マップ |  右京区マップ |  西京区マップ |  伏見区マップ