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いもぼう平野家本店(いもぼうひらのやほんてん)[Imobo Hiranoya-honten]

所在地
 東山区
 
選定番号
 第1−036号
  


推薦理由(抜粋)
 江戸時代から代々暖簾を受け継ぐ料理店。外回りは黒文字垣,二階は虫籠窓,壁は聚楽となっており,昔ながらの雰囲気を多くの方が好まれている。


認定番号
 第206号

認定理由
 いもぼう平野家本店は、円山公園内に位置する老舗の料亭である。享保年間(1716〜1736)、青蓮院に仕え御料菊園や蔬菜の栽培にも携わっていた平野権太夫は、門主が九州から入手した唐の芋を栽培することに成功し、その形に因んで海老芋と名付けたという。この海老芋を水で戻した棒鱈と抱き合わせて炊き上げる調理法を考案したところ、評判を得たため、宮家より“平野家”の屋号と現在の地所を賜わって、商売を始めたと同店では伝えている。明治11年(1878)に刊行された『売買ひとり案内』にはその名が現れ、人気のある店であった様子がうかがえる。明治39年(1906)の円山公園の火災では、当時営業していた平野家の2店舗の一つが焼失したとされる。大正9年(1920)、焼失を免れた建物を大改修して新装開店したのが、現在の建物である。
 不定形な台形状の敷地に建ち、南から西側に巡る平屋建の棟と、東側の一部2階建のハナレ棟が客室として用いられる。背面となる2階建の北側部分には厨房や倉庫棟が配されている。新装開店時には東側に残る杉皮葺の門が正面であったが、その後南側に移っている。入口の門を潜ると、屋根を架けて屋内に取り込んだ空間が西側に長く延び、13室の客室が並ぶ。路地散策を楽しみながら、それぞれ趣向を変えた客室に向かうような空間演出がなされている。南西側の室は、敷地形状に合わせて台形や平行四辺形の形状となっており、かつては部屋を舟に見立て、淀川下りを描いた絵を飾るなどのしつらえがなされていたという。
 いもぼう平野家本店は、円山公園に建つ老舗料亭として、京都の文化史において重要である。明治期に遡り各時期に改修を経た建物も、歴史を重ねた料亭の空間を今に伝えており、高く評価される。


ホームページリンク:
 いもぼう平野家本店のホームページはこちら(外部リンク)


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