所在地 上京区 |
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選定番号 第7−026号 |
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推薦理由(抜粋) 烏丸通沿いに建つ近代和風建築の住宅。昭和2年(1927)に建てられ,烏丸通に高塀と建物が並び,ミセニワ,ツボニワ,ザシキニワを持つ。座敷は書院造りだが,床柱に磨き丸太を使い,柔らかさを生んでいる。 認定番号
第230号 認定理由 勝間家は、同志社今出川キャンパスに近い、烏丸通に東面する町家建築である。当家の口伝では大正15年(1926)頃の建築とされる。昭和3年(1928)の昭和御大礼の際には、青森の南部子爵の宿泊場所として用いられたと伝わる。 建物は、烏丸通に面して建つ間口約7間の本2階建の町家で、1階部分には出格子を設け、2階は真壁造の漆喰壁にやや横長に桟で区切られたガラス窓が嵌められている。北側には表庭が配され、上部に下地窓を設けた板塀が通りに面して接続する。平面は、規模の小さな表屋部分と大きな居住棟を玄関部分で接続する、変則的な表屋造形式をとり、表庭に面する表屋北側の屋根のみが入母屋造となっている。表屋から入ると玄関ニワがとられ、玄関間に迎えられる。居住棟の下手には勝手口が開き、台所(当初は土間)へと向かう。表屋部分には、1階に旧女中室、2階は洋室が配される。西側の居住棟に向かうと玄関脇に1室が配され、上手に2室の和室を設ける。手前は10畳間で、磨き丸太を床柱に用い、付書院、違い棚や地袋等を備えた床脇、仏壇を備えている。同室からは燈籠とアカマツが印象的な表庭を臨む。奥には8畳間がとられ、縁を挟んで飛石や伽藍石、燈籠を備えた奥庭がつくられている。奥庭の奥には土蔵が建ち、景の一部ともなっている。階段は2箇所に設けられ、玄関室の背面と、奥の縁から上がる動線となる。2階も1階と同様に3室を配し、上手2室は青色の壁としている。伝統的な表屋造では玄関棟は平屋建であるが、勝間家では2階建となっている。この結果、表屋と居住棟の2階部分が直接繋がれ、玄関棟2階は階段室の機能も果たしている。平面構成に表屋造町家の形式を踏襲しながらも、動線の合理化という近代の住宅思潮の影響を見ることができる。 勝間家は、大正末から昭和初期の時期に建てられたとされる町家建築である。変則的に表屋造形式を踏襲しつつも、本2階建として2階を居室化するとともに、動線が合理化された平面を有し、京町家が近代的な思潮によって展開していく過程を見ることができる。烏丸通沿いの歴史的景観にも大いに寄与する重要な建物である。 景観重要建造物 |
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