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所在地 北区 |
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選定番号 第7−003号 |
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推薦理由(抜粋) 昭和39年(1964),増田友也設計により建てられた住宅。外観はピロティや打ち放しコンクリートの壁面などル・コルビュジエを思わせるが,室内は襖や障子を用いた和の意匠が用いられている。 認定番号
第235号 認定理由 北区衣笠の地に所在する住宅建築。昭和14年(1939)に立命館日満高等工科学校(現立命館大学)が開学し、戦後は衣笠球場が開設された文教の地である。小林家は、京都大学基礎物理学研究所の理論物理学者であった小林稔の居宅として昭和39年(1964)に建築された。同じく京都大学の建築学科の教授をつとめた建築家・増田友也の設計による。増田は鉄筋コンクリート造によるモダニズム建築を多数手がけている。小林は同建物の建設以前には北白川住宅地に居住していたが、近所にあった増田設計の住宅が気に入り設計を依頼したという。 建物は鉄筋コンクリート造2階建で、衣笠山の斜面を背後に南側に広い庭を配する。庭は造園家・中根金作によるもので、芝生が敷かれ、敷地南端には枯山水風の庭が設けられている。1階南側にピロティを配し打ち放しとするが、東西両壁面にはタイルを貼っている。東側に玄関を設け、1階は女中室等となる。家族の居住空間は2階に配置される。中央に水周りを納めるコアシステムを採用し、その周囲を仕切り壁で簡易に区切る平面である。南側には居間、書斎、北側には4室の個室(寝室)、その間に食堂、和室を配する。周囲には鉄筋コンクリート造の丸柱が露出するが、床や天井に木材を用いて温かみのある空間となっている。ベランダ境などには障子を嵌め、居間西側面の棚上部には金色の市松模様の壁紙が貼られるなど、和の意匠が演出される。屋上はフラットルーフで、採光や通風のためのペントハウスが幾何学的にデザインされ、外観全体のアクセントともなっている。鉄筋コンクリート造の箱の中に木部を用いた和風空間をつくる試みとなっている。 小林家は、戦後の京都で活躍したモダニズムの建築家・増田友也の代表的住宅作品とも言える。鉄筋コンクリート造による居住空間を試みの一つとして近代の住宅史において重要である。文化人が集った衣笠の住宅地の面影を伝える建物としても評価される。 |
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