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旧森菅家(きゅうもりすがけ)[Kyu Morisugake]

所在地
 北区
 
選定番号
 第8−003号

 

推薦理由(抜粋)
 北区中川の住宅。明治の大火で全焼し,その後,建てられた。林業で生計を立てていたため,主屋のほかに,磨き丸太を加工し,乾燥させ,保管するための倉庫が建つ。敷地内には丸太を磨くための「イケ」と呼ばれる水槽も残されており,林業の暮らしを伝えている。


認定番号
 第157号

認定理由
 旧森菅家は明治期に森下本家(森久商店)から分家した森下家の作業場・住居として建てられた。中川地区では明治38年(1905)に大火があり,同家の主屋は同年に再建されたことが登記簿より確認される。
 清滝川東岸の南北に細長い敷地に,南側入口から,モタシ場,納屋を設け,奥に主屋を配する。主屋は平屋建,切妻造桟瓦葺,妻入の建物である。谷側には細い庭を配し,ロジモンと呼ばれる門を構える。谷側に,奥よりザシキ,ナカノマ,シモノマと,表側に突き出したヘヤを配する。同地区ではヘヤは接客に用いられ,縁部分はダシと呼ばれる。山側は奥よりナンド,ダイドコロ,炊事場などの内向き空間を配する。納屋は高い天井を有し,丸太倉庫として使用された。棟木の墨書から大正7年(1918)の建築と確認され,中川地区の年代の判明する丸太倉庫としては最古のものである。昭和3年(1928)建築のモタシ場は屋根のみが架かる開放された空間で,磨き作業や丸太の乾燥に用いられた。
 旧森菅家は,明治の中川地区の大火後まもなく再建された磨き丸太製造の林業家の居宅である。住居と作業・貯蔵のための生産空間が一体として残り,北山杉林業の生産形態を伝える重要な建物である。


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