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松野家(まつのけ)[Matsunoke]

所在地
 北区
 
選定番号
 第1−007号
  


推薦理由(抜粋)
 約200年前に建築。40年程前の新聞に「典型的な武家屋敷」として取りあげられた。敷地内には,「茶屋四郎次郎邸跡」の石碑がある。



認定番号
 第168号

認定理由
 松野家は北区鷹峯の,かつて光悦村の存在した地に位置し,江戸期には同地に移り住んだと伝わる。文化2年(1805)に第8代・松野新九郎が創業した醤油業は,現在も鷹峯に松野醤油店として営業している。
 建物は,主屋,座敷棟,長屋門,2棟の土蔵が残る。同家には江戸期に作成されたと考えられる家相図,主屋上棟時の棟札と板絵図が伝わっている。家相図によれば,元々建っていた農家型の主屋の座敷部分のみを残し,現在の主屋や長屋門を建築したことが分かる。主屋は棟札から大工棟梁・瀧川勝三郎により文化14年(1817)の上棟と確認される。また,棟札には弘化4年(1847)に,大工棟梁・瀧川安兵衛により改修がなされたことが記され,これは2階居室部分の増築・改修と推測される。
 主屋は広い通り土間沿いに2列6室を配する平面である。上手列には式台や書院をつくり,座敷棟への動線とする。1階部分に格子を嵌める町家風の外観を取り入れつつも,広い土間や式台を備えるなど上層農家の形式をとる。式台脇には3畳台目の茶室を備え,座敷棟はザシキとブツマの2室からなる。同部分の小屋組に残る番付の墨書から,建物の一部が残されたことが分かる。床廻りの改修を受けてはいるが,元々は18世紀に遡る建物である可能性も考えられる。
 松野家は外観や平面に町家の影響を受けた農家型建築で,資料から江戸期に遡る民家建築であることが分かる点で貴重である。また,長屋門を構える外観は,鷹峯の歴史的な景観にも大きく寄与している。





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