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日の出湯(ひのでゆ)[Hinodeyu Public Bath]

所在地
 南区
 
選定番号
 第1−055号
  


推薦理由(抜粋)
 昭和3年(1928)に建築。京都の銭湯の典型的な姿を完全な形で残しており,現存している京都の戦前築の木造銭湯の中で最大規模。




認定番号
 第180号

認定理由
 日の出湯は,南区西九条で現在も営業を続ける銭湯である。昭和3年(1928)頃に銭湯「八湖湯」として建築され,同24年に先代の当主が購入し,「日の出湯」と命名した。建物は,木造2階建の脱衣場棟と鉄筋コンクリート造の浴室棟からなる。
 脱衣場棟は,入母屋造の桟瓦葺屋根で,平入に入口を設ける。入口部分には寺院建築に見られる尾垂木(おだるき)状の材に舟肘木(ふなひじき)が載り,軒の出桁(でげた)を支えている。脱衣場の天井が高いため,庇の上にさらに水切庇が設けられ,外観からは3階建のように見える。脱衣場は全体を格天井として,中央の仕切りにより男湯と女湯を仕切る。ロッカーは昭和20年代に遡るもので,ベビーブームの時期に設置された赤ちゃん用の寝台が現在でも数台使用されている。脱衣場の接続部分には洗面を設け,浴室へと接続している。脱衣場棟の2階には中央に廊下を設け,両側に4室づつ和室を配する。戦前期には客用の空間であったと伝わるが,戦後は生活空間として使用されたという。浴室の外観は,人造石洗い出し仕上げで石張り風の意匠とする。内部は蒸気抜きや採光のために,天井の中央部分に吹抜けが設けられている。浴室棟の屋上には戦後しばらく使用されていたという貯水槽が残る。当時は井戸から汲み上げた水を一旦貯水し,日光で温めるために用いたという。
 日の出湯は,和風の外観を有する一方で,近代の意匠や設備を取り入れた銭湯建築として,高く評価される。銭湯建築が失われていく中で貴重である。


ホームページリンク:
 日の出湯のホームページはこちら(外部リンク)



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