京都を彩る建物と庭園

認定 宝湯
(たからゆ)[Takarayu]
所在地 伏見区  選定番号 第1-068号

推薦理由(抜粋)
 昭和6年(1931)に竣工。木造モルタル造で,洋風建築という特異性を持ち,外観,脱衣場がほぼ建築時の姿を保っている貴重な建築物。



認定番号 第89号

認定理由
 宝湯は,昭和6年(1931)に開業し現在も営業が続く洋風意匠を持つ銭湯である。建物は,脱衣室棟と浴室棟を連結した構成になっており,脱衣室棟前面に増築された下足室,浴室棟の北側にボイラー室が付く。脱衣室棟は,木造平屋建,切妻造鋼板葺きで,中央を円弧形,左右を水平としたパラペットを立ち上げている。外壁には,連続したアーチ窓や「寳温泉」のレリーフや勲章リボン,花を模ったデザインで装飾されている。内部は,漆喰仕上げの壁や天井,柱頭に溝彫りが施されたトスカーナ式の柱などが特徴となっている。宝湯は,内外ともに当時の意匠や装飾等が残され,洋風銭湯として現存する希少な建物であり,近代京都の銭湯の歴史を伝える建物である。