認定番号 第161号
認定理由
あじき路地は,東山区の大黒町通りから西に入る路地である。路地の両側に木造桟瓦葺の長屋が建つ。北棟は2階建の10戸棟,南棟は平屋建の4戸棟の長屋となっている。登記簿から明治43年(1910)に建築されたことが分かる。昭和20年(1945)に建仁寺御用達の紙商であった安食家が購入し,現所有者により「あじき路地」と名付けられた。
2階建の北棟は,1戸が間口2間,奥行き2間半の規模である。1階に土間と2畳間,4畳半間の2室を設け,土間の位置は2戸が隣り合うよう交互に配置されている。2階も同様に2室を設ける。一方,南棟では,1戸の間口が2間半,奥行き2間で,元々は土間と2室の3畳間からなっていた。いずれの棟も1階には出格子が設けられ,北棟2階はガラス窓に木製手摺が付く外観である。ファサードが改変されている部分もあるものの,出格子が連続し,平屋と2階建が向き合う路地景観は魅力ある空間となっている。路地内には地蔵の祠も設けられている。
あじき路地は,現在,入居者を若手のアーティストや職人らに限定しており,観光スポットにもなっている。良好に維持,運営されている明治期建築の路地空間として重要である。
参考 歴史的風致形成建造物
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