認定番号 第100号
認定理由
臨済宗の尼門跡寺院。御所に祀られていた聖観音像が光厳天皇皇女の華林宮惠厳によって建福尼寺に奉納され,後光厳天皇より宝鏡寺という名を下賜されたことに始まるとされる。天明8年(1788)の火災により伽藍が焼失した後,幕末にかけて境内が再建された。本堂は,文政13年(1830)の上棟で,前後各3室からなる6間取りの方丈形式である。中央奥を仏間とし,後列右端には上段の間を設ける。書院は寛政10年(1798)に上棟した建物。主座敷である御座の間,大広間の他,計11室が配される。御座の間は1間半の大床と棚を備え,円山派の絵師による襖絵を嵌めている。この他,御所の古材を下賜されて建てたとされる阿弥陀堂や,玄関,使者の間など,江戸後期から幕末の建物が現存している。また,書院の東側には,池と築山を配した庭園がつくられている。質の高い本堂や書院をはじめ,尼門跡寺院の構成をよく伝えており,重要である。
参考 京都市指定有形文化財(建造物)ホームページリンク:
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