京都を彩る建物と庭園

認定 旧藤ノ森湯

(きゅうふじのもりゆ)
[Kyu Fujinomoriyu]
所在地 北区  選定番号 第8-050号

推薦理由(抜粋)
 船岡温泉の経営者 大野松之助は昭和5年(1930)に銭湯として開業。外観正面の腰壁や浴室にマジョリカ風タイルが使われているのが特徴。平成11 年(1999),銭湯は廃業したが,現在はカフェとして活用されている。



認定番号 第126号

認定理由
 旧藤ノ森湯は,船岡温泉の経営者・大野松之助によって創業された。建物は,脱衣場棟,浴場・釜場棟,付属棟とからなる。御幣から,大工・山本辰吉の施工により,昭和5年(1930)に上棟したことが判明する。また,建築申請書より,設計は京都工務所と分かる。当初の設計案では外観に唐破風はなく,出格子を設ける立面としていた。設計変更後,唐破風を備え腰にタイルを張る外観に変更された。
 建物は木造2階建,桟瓦葺で,浴場壁面は煉瓦造である。内部は,1階を番台,男女脱衣場とし,格天井とする。浴室境の壁面はマジョリカタイル貼り。2階には和室4室を設けている。浴場・釜場棟は木造平屋建,瓦葺で,浴室左右と釜場境の壁は,木骨煉瓦造とする。浴室中央の屋根は一段上げ,明り取りとする。内部は,中央に男女浴室境の仕切壁があり,この壁面及び四周の壁面をマジョリカタイル貼りとしている。浴場・釜場棟の東側に付属棟が接続し,1階に板間1室,2階に和室4室を設ける。平成11年に銭湯は廃業し,レストランとして活用している。和風の外観に唐破風を設ける伝統的な銭湯建築の意匠をとる一方,外観・内部にマジョリカタイルをふんだんに使用する特徴的な意匠の元銭湯の建築として重要である。

参考 国登録有形文化財(建造物)

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