京都を彩る建物と庭園

認定 日本聖公会京都復活教会

(にっぽんせいこうかいきょうとふっかつきょうかい)
[Nippon Seikohkai kyoto Resurrection Church]
所在地 北区  選定番号 第10-001号

推薦理由(抜粋)
 昭和11年(1936)に建てられたヴォーリズ設計による教会。礼拝堂は、装飾的な木製トラスが特徴。通りから見る鐘楼はランドマークにもなっている。



認定番号 第212号

認定理由
 日本聖公会は英国国教会に発する教団で、明治期に米国聖公会によって日本に布教された。京都復活教会は、大正3年(1914)に西陣の民家内に会堂が設けられたことに始まる。昭和7年(1932)に、北大路通と堀川通の交差点に面した現在地に移転し、同11年(1936)に現礼拝堂が完成した。
 礼拝堂は、W.M.ヴォーリズの設計、田林工務店の施工による建物である。鉄筋コンクリート造による厚い壁に木造のトラスを用いて屋根を架け、人造スレート葺きとしている。側廊を持たない単廊式のバシリカ型平面で、南側に内陣を向けて建つ。北大路通に面して入口を配し、その上部に鐘楼を設けている。入口開口部のほか、鐘楼部分や礼拝堂側面の窓には、尖頭アーチが用いられている。アーチ窓にはゴシック風のトレーサリー(透かし飾り)が施され、濃密なゴシックの意匠が表現されている。礼拝堂の天井は、トラスをそのまま現す意匠とする。礼拝堂の東側には木造2階建ての建物が接続し、復活幼稚園の園舎として使用されている。同園は昭和5年(1930)に教会に附属する幼稚園として開設されたもので、ヴォーリズの設計によって礼拝堂と同時期に一体の施設として建設された。1階には東側に大きな遊戯室、2階には保育室などが配されている。階段には2箇所の踊り場を設けるなど、園児に配慮した設計となっている。
 日本聖公会京都復活教会は、ヴォーリズの設計による教会建築で、ゴシック様式を用いた秀作として評価することができ、教会の鐘楼は地域のランドマークともなる。教会堂に併設された昭和期の幼稚園の建物が残る点においても重要である。

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