京都を彩る建物と庭園

認定 西川家
(にしかわけ)
[Nishikawake]
所在地 北区  選定番号 第8-052号

推薦理由(抜粋)
 金閣寺の近くに建つ木造2階建ての住宅。外観は,水平線を強調した深い軒や丸窓など,モダニズムのデザインである。室内は和室と洋室がバランスよく配置されており,現代の生活にも適している。



認定番号 第128号

認定理由
 蓄音機販売業を営む清水鹿之助の別邸として建築された。増岡建築事務所の設計,熊倉工務店の施工により昭和8年(1933)に竣工している。増岡建築事務所は旧任天堂社屋などを手がけている。また,熊倉工務店は,京都を中心に洋風住宅を多数手掛けたことで知られる。
 建物は木造2階建,桟瓦葺。玄関ホールの左手(南側)に洋風応接室を設ける。奥には中廊下がのび,南側を座敷,次の間とし,北側には食事室,台所,風呂などの内向き空間が配されている。2階には洋風の書斎,サンルーム,茶室の他,和室2室などが設けられている。玄関から応接室までの通りから望むことのできる外観を洋風とし,スタッコ仕上げの外壁,ステンドグラス,アーチ窓などで飾る。一方,庭に面する座敷・次の間部分より裏手を真壁造りの和風外観とする。この他,鉄筋コンクリート造の蔵,子供室棟が現存している。
 金閣寺界わいは,昭和初期においては富裕層の別邸が建てられた地域であり,西川家もその一事例として注目される。茶室を備えた中廊下式平面の和風空間に洋風応接空間を加えた質の高い近代住宅として高く評価される。

参考 国登録有形文化財(建造物)