京都を彩る建物と庭園

認定 櫻谷文庫
(おうこくぶんこ)
[Oukokubunko]
所在地 北区  選定番号 第7-002号

推薦理由(抜粋)
 大正2年(1913),日本画家木島櫻谷の自宅として建てられた住宅で,広大な敷地に和館,洋館,画室が建つ。洋館は,和洋を折衷した独特のデザインを用いる。画室は64畳敷きの大きな部屋で,小屋組は木造のトラスとなっている。



認定番号 第92号

認定理由
 櫻谷文庫は,日本画家である木島櫻谷(1877-1938)の居宅として建築された。等持院界隈は大正から昭和初期に土田麦僊,村上華岳ら多くの画家が移り住み,「絵描き村」とも称された地域である。和館,洋館,画室などからなり,いずれも大正2年の建築である。和館は櫻谷の居宅で木造2階建,瓦葺である。幅の広い階段を設け,2階には眺望を意識した開放的な4室が配される。和館の西側に煉瓦造の2階建の洋館が建つ。1階を収蔵庫とし,2階には竹や杢目を意識した材を用いて和風意匠を加味した洋風の応接室を配する。画室は木造平屋建で,小屋組にトラス構造を用いて64畳敷の大空間をつくる。櫻谷が弟子とともに製作にあたった場である。大正期には土橋を配した池庭が配されていたが現存せず,画室南側に護岸の一部と思われる石が残るのみである。京都画檀で活躍した画家の居宅と製作の場を一式で残すとともに,大正期における質の高い郊外の住宅建築としても評価される。



参考 市指定有形文化財(建造物)

ホームページリンク:
 櫻谷文庫のホームページはこちら(外部リンク)