認定番号 第93号
認定理由
NISSHA本館(旧日本写真印刷本館)は,明治39年(1906)に京都綿ネルの工場事務所として建設された煉瓦造りの2階建で,外壁は水平目地の入ったスタッコ塗り,屋根は寄棟づくりの銅板葺,最頂部はバラストレード(手摺り壁)が付いた屋上となっている。正面中央のポーチを支える4本の柱は,巨大な御影石から削り出した繋ぎ目なしのコリント式石柱で,アカンサスの葉が象られた装飾的な柱頭を持つ。室内は1,2階とも中央にエントランスホールと階段を設け,各部屋や廊下の天井には,型押しされた装飾鉄板の花房模様が浮彫りされている。この建物は,京都市内では大変希少な煉瓦造りの建築物として重要であり,意匠的にも優れた明治期の洋風建築として高く評価されている。
現在1階には,印刷技術に関する貴重な収蔵品を展示する印刷歴史館が開設され,ニッシャ印刷文化振興財団が運営・管理している。
参考 国登録有形文化財(建造物)
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