認定番号 第40号
認定理由
大江家は観世流能楽師の家柄で,当主は又三郎七世を継ぐ。能楽堂は又三郎五世により,明治41年(1908)に建てられた。昭和20年(1945)に建物疎開により楽屋や住居部分が取り壊されたが,舞台のみが終戦により解体を免れた経緯を持つ。その舞台で戦後の混乱期に早々に公演を行ない,以来休むことなく定期能を開催,能楽の継承,普及に貢献している。細い廊下を進み小さな入口から見所に入ると,そこには切妻屋根の能舞台と2階建の見所が矩形に設けられ,外光が入るが明る過ぎない大空間が広がっている。独立した木造の能楽堂が建てられた当初の風情を今に伝えるとともに,能と言う伝統芸能を支えてきた建物として貴重である。
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