認定番号 第58号
認定理由
明治27年(1894)に表具師として創業し,現在は絵画や書跡等文化財の修理事業にも携わる岡墨光堂の社屋兼住居の町家である。富小路通に西面して大正12年(1923)建築の表屋造の主屋と明治期建築と伝わる蔵が並び,奥には工房などが配される。主屋は,木造2階建て切妻造桟瓦葺一部銅板葺の表棟と,生活空間としての奥棟からなり,両棟は渡り廊下で繋がれる。表棟は,2階の立ちが高く,上手の1階外壁を高塀状にした個性的な表構えを持つ。高塀部分にある客間は,2畳のデドコを備えた残月亭に見られる格式高い形式である。両棟間には,吹き放しの渡り廊下を挟んで石畳のゲンカンニワと露地風に設えられたナカニワが併置される。岡墨光堂が持つ風格のある表構えは,姉小路界隈の歴史的な町並み景観の欠かせない要素である。
参考 景観重要建造物,
歴史的風致形成建造物
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