認定番号 第46号
認定理由
大正の初めの創業で,茶道や謡曲を嗜む人たちのサロンとして愛された老舗旅館である。老舗旅館が並び立つ麩屋町通に面し,間口の広い大塀は風格を示しており,その中央に位置する玄関門の土間には,為される打ち水で光線が反射し,塀の質感とは対照的な風情を醸し出している。洗月亭や残月亭と言った名のある茶室を写す宿泊室や裏千家第十四代淡々斎によって名付けられた茶室玉兎庵を有し,茶の精神を取り入れたもてなしを大事にするとともに,建築や庭に細部に至るまで数寄屋造りを意識しており,伝統と風格を備えた建築である。
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