認定番号 第214号
認定理由
平安神宮は、明治28年(1895)に開催された平安遷都千百年紀念祭及び第4回内国勧業博覧会の紀念殿として建築された。平安宮朝堂院の復元を意図し、大極殿、應天門、蒼龍楼、白虎楼が建築された。これらの建物は建築家・伊東忠太の設計によるものとして知られる。会期終了後、桓武天皇を祭神として祀り、京都市民を氏子とする神社として平安神宮が創建された。境内の西、北、東の三方には神苑が造られている。蒼龍池を中心とする中神苑、白虎池を配する西神苑は7代目・小川治兵衛(植治)の作庭によるもので、明治28年に造営された。大正5年(1916)には植治の構想に則り、東神苑がつくられた。東神苑内には京都博覧会の施設として用いた建物を移築して尚美館とし、また栖鳳池には泰平閣を新築した。
昭和3年(1928)には、昭和御大礼記念博覧会に合わせて、鉄骨・鉄筋コンクリート造の大鳥居が建築され、神宮道を参道とする軸線が強化された。また、皇紀二千六百年にあたる昭和15年(1940)には、孝明天皇を合祀して、蒼龍楼、白虎楼から南側に伸びる廻廊や額殿、神楽殿などが建築された。これにより廻廊に囲まれた現在の境内が完成している。現在では京都を代表する観光名所であるとともに、市民にとっても七五三などの代表的な参詣場所となっている。
平安神宮は、平安遷都千百年を記念した博覧会施設として造営されたもので、明治期における朝堂院の復元の試みは現在では歴史的に評価されている。また、植治の作庭及び構想によって整備された神苑は近代の庭園として貴重である。これらの社殿群や庭園は文化遺産であるにとどまらず、市民や観光客に親しまれ、京都を代表する重要な場所である。
参考 国登録有形文化財(建造物)、
重要文化財(建造物)、国指定名勝
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