認定番号 第160号
認定理由
ケルガード家は,左京区花脊原地町の鞍馬街道沿いに位置する。北側背面は山林,街道を挟んで南側には上桂川が流れる。花脊は戦前までは林業が盛んな地で,同地は「山持ち」と呼ばれる山林地主が多く居住する地区であったという。ケルガード家の建物も山林地主であった開原家によって建てられたもので,幣串から主屋は明治37年(1904)の上棟であると確認される。
敷地内には主屋の他,離れ,土蔵2棟,物置小屋が建つ。主屋は木造平屋建で,当初は杉皮葺であったと伝わるが,現在は桟瓦葺である。東側に土間を配し,表側にはザシキなど3室,裏に囲炉裏を設けたダイドコロやナンドが配されている。土間には,黒漆喰仕上げの大釜と3口の改良型のクドが残る。南側には板塀で囲われた庭があり,玄関へのアプローチに建つロジモンと呼ばれる門を通って入ることもできる。庭は,南寄りに築山を設けて春日燈篭やマツ,スギなどの植栽を配し,背後の山林を景の一部としている。現所有者が購入後,宿泊施設等として活用している。
ケルガード家は,山林地主が建てた大規模で良質な民家である。格式のある屋敷構えは重要な景観要素ともなっており,高く評価される。
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