京都を彩る建物と庭園

認定 旧喜多家
(きゅうきたけ)
[Kyu Kitake]

所在地 左京区  選定番号 第8-012号

推薦理由(抜粋)
 工業化学の研究者で京都帝国大学教授の喜多源逸のために藤井厚二が設計した住宅。当時,藤井は京都帝国大学で建築を教えていた。大正15年(1926),藤井の第4回実験住宅の竣工後に設計された。外観は,屋根,軒,庇がリズミカルな表情を造っている。室内は明るすぎず,落ち着いた雰囲気である。



認定番号 第110号

認定理由
 大正15年(1925)に京都帝国大学で化学の教授をつとめた喜多源逸の住宅として建築された。北隣にはヴォーリズの設計による駒井家(昭和2年建築)が建ち,北白川の住宅開発で最初期の建物であった。設計は,京大で同僚であった藤井厚二,施工は酒徳金之助である。木造2階建,桟瓦葺で西側に玄関を配し,南側に洋室,居間,サンルームを配する。畳敷きの居間は椅子座の洋室よりも床面を約35cm高くしている。玄館奥には階段室,茶の間が続く。北側には台所や風呂などの水廻りが配されていたが,現在では同部分は改築されている。南側への居間の配置,椅子座と床座との接続など,藤井の住宅設計への模索が良くあらわされた作品として重要である。また,北白川の住宅開発の嚆矢となる建物としても評価される。

参考 国登録有形文化財(建造物)