京都を彩る建物と庭園

認定  西川家
(にしかわけ)[Nishikawake]
所在地 左京区  選定番号 第7-033号

推薦理由(抜粋)
 大正期の遊園地 京都パラダイスの跡地に,昭和2年(1927)に建てられた住宅。別邸として建てられ,後に本邸となった。仏間は数寄屋風,応接室は和洋折衷で,数寄屋風の近代和風住宅に洋風意匠が加えられている。



認定番号 第101号

認定理由
 近江八幡に本拠を置く近江商人の分家の家柄で,明治期には大阪に木綿販売店を営んだ。敷地は大正期に遊園地・京都パラダイスが建設された地である。遊園地廃業後,宅地として分譲された際に土地を購入し,居宅として建築したのが現在の建物である。土地購入記録から,昭和2年(1927)頃に建築されたと考えられる。木造2階建で,大屋根は銅瓦で葺かれている。玄関の左手には中廊下と縁廊下を通し,磨き丸太の床柱や面皮柱を用いる数寄屋意匠のブツマ等を配する。南側には独立棟の応接間が廊下で接続する。床にコルクを用い,壁面を唐紙貼りとし,スギ板の天井に漆塗りの中心飾りを設けるなど,和洋を折衷した意匠である。2階座敷では床柱を角柱とし黒漆塗の床框を用いて長押を廻すなど,書院造の意匠を用いる。門付近には土蔵を配する。また,主屋南側には東西に飛び石を配し,石燈籠や蹲を備えた庭を設けている。数寄屋,書院造,洋風意匠を織り交ぜた,良質な近代和風住宅として重要である。

参考 国登録有形文化財(建造物)