京都を彩る建物と庭園

認定 八瀬比叡山口駅

(やせひえいざんぐちえき)
[Yasehieizanguchieki]
所在地 左京区  選定番号 第3-036号

推薦理由(抜粋)
 古風な印象を見せる駅舎は,開業時から形を変えず約90年間にわたり利用者を見送ってきた。ホームを覆う木造屋根が魅力的であり,波型の軒飾りはホームのアクセントとなっている。



認定番号 第57号

認定理由
 八瀬比叡山口駅は,比叡山へ通ずる叡山鉄道(現,叡山電鉄株式会社)の終着駅として建築され,大正14年(1925)に開業された。梁間約9.4m,桁行約23m,鉄骨造平屋建て,切妻造の金属板葺で,鉄骨アングルをリベットで接合したトラスや柱は繊細で美しいデザインであり,妻面板壁下端のノコギリ型の意匠や妻飾りが特徴的な駅舎は,ドイツ人技師による設計と伝わる。駅舎は,高野川周囲の景観に溶け込み,地域のランドマークとして象徴的な建物となっている。また,時代の特徴を表す構造物が建築当時のまま残され,この地域の歴史,ひいては京都の近代化の歴史を象徴する建物となっている。