京都を彩る建物と庭園

認定 きんせ旅館
(きんせりょかん)
[Kinse ryokan]
所在地 下京区  選定番号 第6-016号

推薦理由(抜粋)
  江戸末期の建築で元揚屋と伝わる建物。出格子,下見板の腰壁,2階の掃き出し窓が張り出す意匠を備えており,当時の地域の歴史を今に伝えている。




認定番号 第81号

認定理由
 きんせ旅館は,元々揚屋と言われる建物を引き継ぎ,昭和初期に旅館として開業された。建物は,江戸末期の建築と伝わる主屋と昭和初期に増築された離れ,5つの庭から成る。主屋は,切妻造平入木造2階建てで,出格子,下見板の腰壁等を備え,2階が張り出した外観意匠は,この建物の大きな特徴となっている。主屋の内部中央には,折り上げ格天井を備えた洋風意匠のホールを持ち,離れは,入母屋造木造2階建てで,主屋と同様の外観意匠を備える。ホール,各座敷から望める,桜やアラカシ,燈籠などを配した庭は,旅館開業時に観賞用として造られたものである。きんせ旅館の外観に見られる歴史的意匠は,かつての花街の風情を色濃く残し,島原の伝統を現代に継承する重要な建物となっている。

参考 歴史的風致形成建造物