京都を彩る建物と庭園

認定 杉本家住宅と杉本氏庭園

(すぎもとけじゅうたくとすぎもとしていえん)
[Sugimotokejyutaku,Sugimotoshiteien]
所在地 下京区  選定番号 第4-012号

推薦理由(抜粋)
 各1間半の床と棚を装置した座敷,独立棟として西に張り出した仏間などを有する。要素・空間構成などが評価される庭園とともに,京都の中心部における大店の建築遺構として,今日まで続いている仕事や生活を思い起こさせる。



認定番号 第62号

認定理由
 呉服商「奈良屋」を創業した杉本家は,明和元年(1764)現在の地に職住一体の屋敷を構えた。江戸期から明治期にかけて広げられた敷地は,間口約30m,奥行約60mに及び,主屋の西側に露地を配し,主屋の奥側には座敷庭をはさんで大蔵・隅蔵・中蔵が並ぶ。表屋造の主屋は,明治3年(1870)の上棟で,出格子,虫籠窓など京都の伝統的で洗練された意匠を踏襲しており,1間半の大床と棚を備えた座敷,仏間,茶室等には大店としての特色がみられる。庭園のうち,飛石,手水鉢・灯籠などが限られた敷地に程よく配置された座敷庭,草木を配さない円礫を敷いた仏間庭は意匠性が高い。市内に現存する町家として最大規模で保存状態も良好であり,京都の大店の建築遺構として歴史的な価値が極めて高い。また庭園は,職住一体の生活機能を有する庭が連続性を保ちつつ,接客のための芸術性に富んだ造形がみられ,芸術上・観賞上の価値が高い。

参考 杉本家住宅:重要文化財
   杉本氏庭園:国指定名勝