認定番号 第94号
認定理由
旧邸御室は,双ケ岡の北側に位置し,主屋,土蔵,茶室双庵,待合などからなる。主屋の御幣(幣串)から,昭和12年(1937)に,大工・岡本勝次郎により祝部鼎二の邸宅として建築されたことが確認される。主屋は木造2階建,桟瓦葺の建物である。1階は玄関脇に茶室,中廊下の西側には座敷(12畳半),次の間(10畳)が配される。座敷は床,琵琶床,付書院,違い棚を備えた上質な空間で,次の間との境には富士の峰を象った特徴的な意匠の欄間が嵌められている。主屋の南側には双ケ岡の斜面を利用し,園路を登った上段に茶室(双庵)と待合を設ける庭が配されている。4畳半間の茶室には付書院状の開口を設け,御室の山を眺望する趣向が凝らされている。古代以来,景勝地として知られた双ケ岡の地に立地する,昭和初期の極めて上質な和風邸宅建築として高く評価される。
参考 国登録有形文化財(建造物)
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