京都を彩る建物と庭園

認定 卯瀧家
(うたきけ)[Utakike]
所在地 右京区  選定番号 第2-030号

推薦理由(抜粋)
 自然な美しさに魅せられる茅葺き屋根を,母屋と納屋の2棟で維持されている。集落の高台にあって,絵画的な風景を醸し出している。



認定番号 第51号

認定理由
 卯瀧家は,周山において広大な山林や田を所有し村長も務めた家柄である。敷地には,塀を三方にめぐらせ,主屋を中心に2棟の蔵や茅葺の小屋等を配している。主屋は19世紀中頃の建築で明治初期の改築と伝えられており,平入り3間梁の茅葺きで,良質な木材を多用し,江戸時代の北山型の上級農家の形式を取り入れている。また,巧みな木彫や家名入の鬼瓦などの意匠をもった「庭門」や元々の地形の勾配を活かした築山,かつて山の湧水を引き入れた池を配する庭園は,代々当主の趣向を凝らした造りとなっている。これらの建物や庭園が,背後の山林や田畑と相俟って優れた農家景観を構成し,京都と若狭,山間地域が交流する地域の文化を現在に伝える。