認定番号 第130号
認定理由
大野木家住宅は,織物業を営み,戦後,参議院議員として国務大臣もつとめた大野木秀次郎の住宅として建築された。敷地には主屋,護摩堂,待合を兼ねた物置,土蔵4棟などが建っている。主屋は,小屋組の棟木に墨書及び御幣から,棟梁・金森貢により,昭和14年(1939)に上棟したことが判明する。
建物は木造2階建で,南側に玄関車寄せを設ける。西側の2階建て部分は,垂木や出格子部分も漆喰で塗り込め,本瓦葺屋根とする城郭風の外観である。東側の平屋建て部分は真壁造で桟瓦葺とする。玄関ホールの西側に廊下が延び,南側に洋室(応接室),さらに西側奥に和室6室が配される。床,違い棚,付書院を備えた北西の12畳半間が主座敷となるが,東寄り中央の10畳間も径の太い絞り丸太を床柱に用いるなど,各室とも質の高い意匠である。
階段親柱も擬宝珠を用いた寺院の高欄風の意匠とし,2階には洋室と和室4室を配する。
主屋北側には東西に流れを設けて,整えられた植栽を配する庭が配されている。
昭和62年に織物業を廃業し,平成15年より結婚式場等として活用されている。
昭和初期における大規模で質の高い住宅建築である。外観や内部に城郭や寺院風の意匠を用いるなど特徴的な近代和風住宅として高く評価される。
参考 国登録有形文化財(建造物)
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