京都を彩る建物と庭園

認定 森家

(もりけ)[Morike]
所在地 山科区  選定番号 第1-078号

推薦理由(抜粋)
 明治39年(1906)に単身で米国に渡り,ランプシェードに絵画を描くことで成功した美術商・森啓次郎が建てた住宅である。壁が非常に特徴的で,インテリアは同人の独自のセンスが各所に見られる建物である。




認定番号 第80号

認定理由
 森家は,長きに渡りアメリカで過ごした美術商森啓次郎が,帰国後の昭和4年(1929)頃に建築した。当家の敷地を含む日ノ岡夷谷町周辺は,昭和元年(1926)に“九条山住宅地”として開発されたものである。建物は,木造2階建ての洋館で,1階にリビング,台所,食堂をL字型に配し,2階に寝室,子ども部屋を置く。外部は,赤褐色のフランス瓦葺で,漆喰塗りのスペイン壁やアーチ窓などスパニッシュスタイルを基調とする。内部は,ドーム状の天井を持つリビングや自然石積のマントルピース,釉薬タイルのファウンテンなどを備えた個性的なインテリアが特徴となっている。昭和初期の洋風スタイルを取り入れた森家は,住まいの近代化と京都の郊外住宅地開発の歴史を伝える建物として重要である。

参考 国登録有形文化財(建造物)

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