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所在地 下京区 |
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選定番号 第10−055号 |
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推薦理由(抜粋) 本2階建て表屋造の白生地問屋を営んでいた町家。昭和初期に新しい生活のモデルとなるような町家として建てられたとされ、応接室や座敷、離れの茶室は当時を偲ぶことができる。 認定番号
第248号 認定理由 呉服商、繊維業など織物関係の卸しが集まる地域である旧成徳学区に位置する。上田家は元々、白生地を扱う問屋で、明治中期までには現在地に店を構えたと考えられる。現在の建物は昭和初期に建築された建物である。 主屋は表屋造の形式を踏襲した本2階建の町家である。1階に出格子部分の腰に御影石(花崗岩)を貼り、2階には窓ガラスを嵌める外観である。表屋部分の店土間を抜けると玄関が設けられるが、奥の居住棟では通り土間は配されず、外路地で裏側に抜ける。表屋には地下室がつくられ、ミセ土間に設けられた階段から降りる。表屋1階は2列に分け、洋風の格天井を持つ板間とするが、土間境のミセノマは上手のオモテノマよりも一段床を低くつくる。ミセノマから奥には中廊下が延び、上手に仏間と次の間、下手に板敷の台所が配される。階段は表屋部分と居住棟にそれぞれつくられる。伝統的な表屋造とは異なり、玄関部分の2階に設けられた応接室を介して両棟間の動線が確保されている。2階応接間は、幾何学的にボード貼った天井と寄木を用いたフリーリングで、木製のマントルピース風の棚を設けるモダンな意匠である。居住棟2階には廊下の上手に座敷と次の間、下手に女中室が配される。2階座敷は床柱にヒノキの四方柾や漆塗の床框を用いた床の間と違い棚を備え、梅やカキツバタなど四季を表す花を描いた板欄間を嵌めるなど上質なつくりである。主屋の奥には伽藍石を配した庭をつくり、その奥に2階建ての離れと土蔵を建てている。離れの1階には4畳半の茶室を設け、奥庭を露地として貴人口から入る形にしている。土蔵は外壁がモルタル洗い出し仕上げで、離れの廊が蔵前の空間となる。 上田家は、昭和初期に建てられた、表屋造の形式を踏襲しながらも、外路地や中廊下を配し、玄関棟2階には表屋と居住棟のいずれからも入ることのできる洋風応接を設けるなど、随所に近代的な住宅思潮の反映が見られる。仏間や座敷など和室の造作も良質である。昭和初期における京都の町家の近代化の様相を示す重要な建物として評価される。 ![]() 歴史的風致形成建造物 |
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