所在地 右京区 |
|
選定番号 第11−037号 |
|
推薦理由(抜粋) 200年以上前に建てられたと伝わる民家。周囲には小塩川や森が混在し,山の景色が美しい。茅収穫のような交流や助け合いを存続するためにも,茅葺き屋根で始まった家本来の姿に戻したい。 認定番号
第233号 認定理由 ヘレスバック・ルノー家は、右京区京北町小塩に所在する茅葺民家である。桂川(大堰川)支流の小塩川が流れ、南北方向に延びる谷筋に位置する。西側の通りから小径が分かれ南側よりアプローチする敷地で、東側は川で仕切られる。敷地中央に主屋が南側に入口を向けて建つ。主屋の東側には主庭を配してロジモンを設けた板塀で区画し、西側は井戸のある裏庭となっている。表側(南側)には米小屋、納屋が、主屋の背面には土蔵などの附属屋が建っている。敷地の西端には水路が引かれ、京北地域でイトヤと呼ばれる洗い場や、水槽(生簀)が設けられている。 主屋は、茅葺屋根を瓦型鉄板で覆っている。小屋裏に木槌が残されており、その銘から、明治23年(1890)に、弓削村字田貫(現右京区京北田貫町)の大工・前西豊吉が手掛けたものと判断される。施主は不詳だが、登記簿資料では明治38年(1905)に田中氏が所有した時点まで遡ることができる。田中氏は林業を生業としていたと伝わり、川向いには同家の墓石も残る。入母屋造屋根で、梁行6間、桁行8間の規模を有する。小屋組はサス組と棟束を併用する形式である。妻入形式で、入口を入ると左手(西側)は土間となり、モザイクタイル貼の改良カマドが残る。右手(東側)には、元は厩(うまや)が設けられていた。こうした平面は、北山型民家を踏襲したものと考えられる。床上部分は計6室で、棟通りの西側には土間に面して約14畳大の板間を配し、囲炉裏を設けている。西側奥の和室が座敷に当たり、床と仏間を備えている。土蔵は桟瓦葺の置き屋根で、石垣の基礎の上に建ち、腰部分を人造石洗い出し仕上げとする。米小屋や納屋も良く残り、修繕を加えながら現在も活用されている。 ヘレスバック・ルノー家は、元は林業を生業とした明治中期に建てられた民家である。主屋の他、多数の附属屋が現存する。敷地内に引かれた水路にはイトヤが設けられ、これらを含めた屋敷構えが良く保存されており、重要である。同地域の景観要素としても、重要な役割を果たしている。 |
京都市 文化市民局 文化芸術都市推進室 文化財保護課 〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地(分庁舎 地下1階) 電話:075-222-3130 FAX:075-213-3366 (C)2013 City of kyoto. All rights reserved. |
---|