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平野屋(ひらのや)[Hiranoya]

所在地
 右京区
 
選定番号
 第3−019号
  


推薦理由(抜粋)
 古くより愛宕神社の門前町として賑わい,街道沿いに茶店等が建ち並ぶ嵯峨鳥居本の町並みの中にあって,400年の歴史があり中核をなす茶屋である。外観,内部とも江戸時代にタイムリスリップしたような野趣あふれる茶屋の面影を残している。


認定番号
 第208号

認定理由
 平野屋は嵯峨鳥居本地区、愛宕神社の一之鳥居の脇(鳥居の内側)に所在する。江戸後期には既に愛宕参詣の際の団子「志んこ」を名物とする茶屋として知られたとされ、明治17年(1884)発行の『愛宕神社全図』には、現在と同様の位置に描かれた茅葺の茶屋が確認できる。明治期以降は、保津川で獲れた鮎を扱う鮎問屋としての商いも兼ねるようになった。明治30年(1897)に京都鉄道が嵯峨駅まで、昭和4年(1929)に愛宕山鉄道(平坦線、索道線)が愛宕山まで開通するなど交通の便が良くなると、愛宕神社参詣に加えて観光客も増加したため、主に鮎料理を提供する料亭に変遷していったという。
 建物は、茅葺の入母屋造屋根で、下屋部分を桟瓦で葺いている。通りに面する表側部分には所々に古い部材が確認され、近世に遡る可能性が高い。土間には「おくどさん」が残り、現在でも名物の「志んこ」を蒸すために用いられている。茅葺建物の背面側(西側)には瓦葺の棟が接続する。同部分は敷地に段差があるため高い床下を有し、倉庫に利用されている。平面は通り側に広い土間と2室、廊下を挟んで背面側には4室の和室が配され、同4室部分は、料亭としての機能の必要性から大正期から昭和初期にかけて増築されたものと考えられる。建物の西側には山からの湧き水を貯めた池がつくられ、鮎などの生け簀も設けられている。参道に面して、愛宕参詣の無事を祈願する「上り亀石」が残る。
 平野屋は愛宕神社への参詣客に親しまれた茶屋として、近世に遡る由緒が伝わり、愛宕信仰を語る上で重要な場である。鮎料理を主とする料亭となった現在でも、愛宕参詣名物の団子を提供している。建物も近世に遡る部分が残ると考えられ、時代とともに増築や改修を加えられながら歴史を刻んできた姿は大変貴重である。


(嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区伝統的建造物)

ホームページリンク:
 平野屋のホームページはこちら(外部リンク)


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