所在地 山科区 |
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選定番号 第5−033号 |
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推薦理由(抜粋) 旧東海道に面して建ち,唐破風屋根の拝所が付く六角堂が行きかう人の目に留まる。茶所や荷馬の井戸が残り,往来の人々の休憩の場として賑わった当時の様子を今に伝えている。 認定番号
第162号 認定理由 徳林庵は山科区四宮の旧東海道沿いに建つ臨済宗の寺院で,天文年間に南禅寺の雲英(うんえい)禅師によって創建されたと伝わる。境内の地蔵堂は毎年8月に行われる六地蔵巡りの一つ山科地蔵を安置する。現在の地蔵堂は明治41年(1908)の建築で,本瓦葺の六角円堂である。『拾遺都名所図会』(1787)には既に六角円堂として記されているが,明治41年の資料からは,規模を拡大して再建されたことが分かる。 徳林庵に残されている工費概算書等から,一時期京都府に技術者として所属した安田時秀による設計と考えられる。外観には蓑束(みのづか)と呼ばれる中世風の中備(なかぞなえ)を用い,鎌倉・室町時代の意匠を援用した復古的な細部が見られる。内部にはヒノキの鏡天井に上田萬秋(まんしゅう)による龍図が描かれている。地蔵堂南側には明治42年建築の拝所が建ち,吹き放しの中央に六角形の石製香炉を置く。拝所は近世の絵図には見られず,明治以降,参拝空間の拡張のため設けたと考えられる。この他,境内には荷馬水呑場(にうまみずのみば)(明治18年建築),茶所(同20年),本坊(同25年)が残る。 京都の六地蔵巡りの一つである山科地蔵として重要な信仰の場であるとともに,技術者によって設計された復古的な要素を持つ近代和風建築が残る点でも貴重である。 市指定有形文化財(建造物) |
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